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HSPとは?カウンセリングが有効なのかどうかとともに解説

 

「人のちょっとした言動に傷ついてしまう…」

「他人はあまり気にしない匂いが気になる」

HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略語ですが、光・音・匂い、または対人関係において非常に敏感な性質を持つ人々のことです。

 

過敏な傾向がある人は、生きづらさを感じている人が多いです。

自分がHSPなのかどうかを判別してもらい、HSPだった場合の対処法としてでカウンセリングを希望されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そこで今回は、HSPの概要や、有効なカウンセリング方法を紹介します。

HSPについて詳しく知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

HSPは病気なのか?

HSPは、近年SNSが普及し、有名人や著名人が公表したことなどをきっかけに知られるようになりました。

言葉だけを見ると病名のように思えるかもしれませんが、5人に約1人がHSPに該当するともいわれ、病気ではなく、生まれ持った性格の特性であるとみなされています。

 

しかしながら、HSPは遺伝的な要因以外にも、幼少期の体験、ストレス耐性が薄いこと、さらには化学物質、大気汚染などの後天的、外的な要因も絡んだ広範囲な概念です。

HSPにより生きづらさを感じてしまうと、さらにうつや不安障害、睡眠障害などが引き起こされることも少なくありません。

また、最近になって糖尿病や脂質異常症などの身体的な影響を及ぼす可能性が高まることも明らかになってきました。

一人一人違うHSPの要因を見極めて、改善できる部分を見つけ出し、対処していくことが必要なのです。

また同時に、HSPを病的なものと見なすことなく、仲良く付き合っていくことも必要です。

以下でさらに詳しくお話ししていきます。

こちらの記事ではうつ病について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:うつ病にカウンセリングは効果的?うつ病についても詳しく解説!

 

HSPの7つの特徴

HSPの方には、主に7つの特徴があります。

自分がHSPなのかどうかを判別したい方は、それぞれの特徴を詳しく見ておきましょう。

 

特徴①自分のことを責める

HSPの方は自分の価値が低いと考えているため、過度に自分のことを責めるという特徴があります。

 

たとえば、周りにいた誰かが怒っているときに、自分に一切非がない状態であったとしても「自分の責任なのではないか」と考える傾向にあります。

 

特徴②1人の時間を好む

HSPの方は、1人の時間を好むため、大人数の場を好まず、

大部屋で行われる会議やセミナーなどに対して大変なストレスを感じてしまいます。

 

広い場所では、さまざまな刺激を受け取りやすく、疲労も溜まりやすいため、自分の世界に入れる1人の時間が大切だといえます。

 

特徴③小さな音が気になる

日常生活の小さな音が気になってしまうということも、HSPの方の特徴の1つです。

たとえば、キーボードを打つ音や時計の針の音など、非HSPの方は気にならないような音も気になってしまいます。

 

そのため、読書や仕事をしていても周囲の小さな音が気になり、集中しづらいということもあります。

 

特徴④他人を優先する

HSPの方は自分の意見よりも他人の意見を優先してしまい、自己表現がうまくできないこともあります。

 

HSPの方は、相手の気持ちを汲み取ろうと気を使い過ぎてしまうことがあります。

また、思考や感情が混乱しやすく、自らの意見を整理することができなくなることも多いのです。

 

特徴⑤人の頼みをすべて受け入れる

さらに、自分より他人を優先する傾向があるHSPの方は、頼まれたことを断れずに請け負ってしまうという特徴もあります。

 

自分に自信がなく、意見が言えないことや考えこんで即答ができないことで、人の頼みを受け入れてしまうのです。

人の頼みを断れない結果、自分の時間がなくなって後悔してしまいます。

 

特徴⑥よくパニックに陥る

HSPの特徴として、もともと決められていた予定がなにかの理由によって変更になった場合に、パニックを起こしやすいということも挙げられます。

 

HSPの方は感受性が豊かで、物事に対して深く考える傾向にあるため、一度決められたことが変更になると過剰に反応してしまいます。

そのため、予定が変更された場合にどのようにすればよいのかがわからず、パニックに陥ってしまうのです。

こちらの記事ではについて詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
参考記事:パニック障害とは? 治療はカウンセリング?

 

特徴⑦小さなことに気づく

ここまで紹介してきた特徴は、当事者にとってはネガティブなものでしたが、HSPの特徴にはポジティブな一面もあるものです。

 

周囲の状況や雰囲気をよく見ているからこそ、小さなことに気づけるということもHSPの方の大きな特徴です。

たとえば、相手がいつもよりも口数が少なかったり、生気がなかったりすると、何か悩みを抱えているんじゃないかとすぐに気がついたり、周囲のちょっとした変化に応じた気配りができたりします。

 

HSPのタイプとは

ここまでHSPの特徴を解説してきましたが、実はHSPはいくつものタイプに分類できます。

それが以下の4つです。

  • 内向型で刺激を求めないタイプ
  • 外向型で刺激を求めないタイプ(HSE)
  • 内向型で刺激を求めるタイプ(HSS型HSP)
  • 外向型で刺激を求めるタイプ(HSS型HSE)

それぞれ順に特徴を見ていきましょう。

内向型で刺激を求めないタイプ

内向型で刺激を求めないタイプは、一般的にイメージされる典型的なHSPだといえます。

 

このタイプは、ネガティブ思考で社交的ではないことや打たれ弱いことなどが特徴です。

ストレスを溜めないために、自分だけの時間を確保することが大切です。

 

外向型で刺激を求めないタイプ

外向型で刺激を求めないタイプは、HSEとも呼ばれます。

HSEとは、「Highly Sensitive Extrovert(ハイリー・センシティブ・エクストロバート)」の略で、HSPの中でも他者と交わることを好む外向性をもった人達のことです。

HSEの方は、典型的なHSPとは違って社交的ではあるものの、周囲の方に拒絶されることが苦手です。

そのため、相手や周囲の状況を観察してリスクを冒さない行動、刺激の少ない行動を選ぶ傾向があります。

 

内向型で刺激を求めるタイプ

内向型で刺激を求めるタイプの方は、HSS型HSPと呼ばれます。

HSSとは、「High Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)」の略で、変化や新しいことを好み、刺激を求めて行動をとる人達のことを呼びます。

このタイプは、刺激を求めるがゆえに、頭でしっかりと考える前に行動に移すことや、好奇心旺盛であることなどが特徴です。

しかし、そもそもHSPの特徴として社交的ではないという前提があるため、刺激を求めたことでかえって疲れてしまうこともあります。

 

外向型で刺激を求めるタイプ

外向型で刺激を求めるタイプはHSS型HSEとも呼ばれ、活発で好奇心旺盛なのでリーダーシップも発揮できるタイプです。

自分から刺激を求めるため大胆な行動をとるものの、小さなミスを引きずる傾向にあります。

主な特徴として、周囲の方にも気を配れるアクティブな一面があることで、あとから疲れてぐったりすることや傷ついたりすることなどが挙げられます。

 

HSPの人自身ができるHSPへの対処方法

「繊細さん」自身が行えることと周囲の方が行えることに分けて、HSP特有の困りごとに対するそれぞれの対処方法を紹介します。

 

対処方法①少しずつ刺激に慣れるようにする

HSPの方はなによりも敏感であるため、あらゆる刺激を避けてしまう傾向があります。

しかし、敏感さによる苦痛を減らすために刺激を避けつづけると、刺激に対する免疫が無くなることでさらに刺激に弱くなってしまいます。

そのため、限られた範囲でのみ行動するのではなく、少しずつ行動範囲を広げて刺激に慣れることが大切です。

 

刺激を避けるために家の中ばかりにいるという方の場合は、少しずつ外に出る努力をしましょう。

徐々に刺激に慣れていくことで、苦痛が軽減することも多いです。

 

もっともこれは、ただ単に刺激による苦痛の軽減そのものを目的にするのではなく、外での活動に興味を持って面白さを見つけるということが目的です。

あまり無理はせずに、少しだけ努力してみるといった感覚が大切です。

 

対処方法②無理に寝ようとせず目を閉じてゆったりする

敏感さのある「繊細さん」は、寝ていても少しの物音で目が覚めてしまうことや、眠りが浅いことがよくあります。

 

一度目が覚めると、そのあと寝られないのではないかという不安に包まれて、さらに寝られなくなってしまうという方も多いのではないでしょうか。

そのときは、無理に寝ようと頑張るのではなく、目を閉じてゆったりするだけでも大丈夫です。

入眠できなくとも、体を横にしているだけで生理的な休息はかなりとれるものです。

リラクゼーション音楽やアロマ、カーテンの色など入眠の環境を整えておくこともおすすめできます。

 

対処方法③いつでも逃げられる自分だけの場所を確保する

HSPの方は敏感さによって小さな刺激で傷ついたり疲れたりするため、逃げられる場所を事前に確保しておくことが大切です。

 

なにかに疲れたときや傷ついたときは、自分だけの場所に逃げ込んで自分だけの時間を過ごしましょう。

逃げ込んだあとは深呼吸をしたりして、また外に出て刺激と向き合えるように落ち着くまでエネルギーを蓄えましょう。

 

対象方法④周囲の方との境界線を設ける

HSPの方は周囲の人の言動に気持ちを左右されるため、すぐ疲れてしまうという傾向があります。

そのため、周囲の人との境界線を設けることによって、自分の気持ちを楽にすることも考えるとよいでしょう。

 

かかわる人によって、できることやできないことなどの線引きをしておくことで、割り切った対応ができます。

HSPの周囲の方が行える対処方法

さらに、この項目では、家族のメンバーなどにHSPの方がいる場合に、周囲の方が行える対処方法を4つ紹介します。

HSPの方とどのように接したらよいのかがわからずにお困りの場合は、ぜひ参考にしてみてください。

 

対処方法①しっかりとHSPの特徴を理解する

まずは、周囲の方が、HSPを詳しく理解しておくことが大切です。

「繊細さん」にはどのような行動傾向があるのか、また弱みや強みはどのようなものなのかを知ることで、接し方も変えることができます。

 

また、HSPの特徴だけではなく、「繊細さん」自身の生き方に対しても理解してあげられるとなお良いでしょう。

周囲の方の対応が変わることで、本人のストレスもかなり緩和されることが多く、非常に大切な取り組みだといえます。

 

対処方法②ポジティブな部分はしっかりと褒める

「繊細さん」には、弱みだけではなく長所や能力もあるのです。

周囲の方が良いところを見つけて、しっかりと褒めてあげることも大切なことです。

例えば、以下のようなものが挙げられます。

 

繊細さんの長所

  • 感性が豊か
  • ユニークな発想
  • 共感能力が高い
  • 記憶力がいい
  • 気配りができる

 

弱みだけに目を向けてしまうと繊細さんそのものを否定しているように捉えられてしまいます。

弱みだけではなく長所や能力に対して目を向けて、その部分を積極的に褒めることは「繊細さん」の存在を認めることであり、「繊細さん」の自信につながります。

 

対処方法③適度な距離感を保って接する

「繊細さん」の大きな特徴は、日常生活の刺激に苦痛を感じて疲れやすいという点です。

 

そのため、「繊細さん」が疲れているときには適度な距離感で見守ってあげることも大切です。

1人だけになれる時間を確保してあげるだけで、「繊細さん」が自分のペースで回復しようと思えるようになってきます。

過剰にかかわることは避けましょう。

 

ただし、見守ることと放っておくことは意味が異なります。

「繊細さん」との距離感を保ちつつ、どのような行動をしているのかをさりげなく確認しながら、適切なタイミングで声をかけてあげましょう。

 

対処方法④落ち着いたコミュニケーションをとる

「繊細さん」と話すときは、できるだけ落ち着いて対応しましょう。

話しかけるスピードをゆっくりにしたり、柔らかい口調にしたりするだけで、HSPの人の気持ちは変わってきます。

 

感情的な意見をただぶつけてしまったり、一気に多くのことを伝えてしまったりすると、「繊細さん」は混乱してしまいます。

「繊細さん」は周囲の方の表情や仕草に敏感であるため、周囲の方が「私はこう感じているよ」「怒ってないよ」と、ジェスチャーを使ったりして伝えてあげることを心がけてみてください。

 

HSPとと重複する他の障害

先に述べたとおり、HSPは診断名ではなく、その原因もいまだはっきり分かっていません。

ただ、米国精神医学会の診断マニュアルであるDSM⊶5には、自閉症スペクトラム障害というカテゴリーがあり、その中にいわゆるHSPの特徴が含まれています。

 

ASD(自閉症スペクトラム障害)

まずは、ASD(自閉症スペクトラム障害)です。

ASD(自閉症スペクトラム障害)は、後述する発達障害の一種で、以下2つの特性が見られます。

  • 社会的コミュニケーションおよび対人相互反応における持続的な欠陥

言葉を字義通りに捉える、行間や空気を読むのが苦手といったコミュニケーション特性から生じる「過度な素直さや真面目さ」は、HSPに重なる部分が見受けられます。

  • 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式

極度のこだわりや、何度も同じ字を書くなどの常同行為は、HSPに見られる「細かいところまで気になる」という特性と一致するものです。

そして、自閉症スペクトラムには、以下のような感覚過敏が伴うことがあるのです。

感覚過敏は五感のいずれか、あるいは複数箇所が敏感になる特性で、以下のような事例が挙げられます

  • 視覚:蛍光灯や太陽光が過度に眩しく感じる、など
  • 聴覚:小音でもうるさく感じる、カフェなど騒音がある場所で会話できない、など
  • 嗅覚:においに敏感、など
  • 味覚:過度な偏食、ドレッシングがかけられない、など
  • 触覚:水に触れるのが苦手、ハンドクリームが塗れない、など

 

 

HSPに対する地球的な視点

つまり、HSPとは、ASD(自閉症スペクトラム障害)の一側面としてとらえることもできるわけです。

しかしなから、HSPのみならずASDもまたそのメカニズムがはっきりわかってはいません。

ですから、疾病という概念から離れて、もっと大きな枠組みで考えてみることが必要なのです。

 

太古の昔の私たちの先祖は、恐竜や猛獣に怯え、洞穴に隠れて生活していた時代があったかと思います。

大きく凶暴な動物に対して、果敢に戦いを挑んだ人たちは殺されてしまい、むしろ、洞穴の中で少しの物音にビクビクしていた人たちが生き残りました…

生活環境のリスクを敏感にキャッチできる人たちは、力ではなく知恵を使って生き延びてきたのです。

HSPの素因をもっていた先祖のおかげで今の人類の繫栄があるのかもしれません。

長い目でみると、臆病遺伝子をもつことは実は生存力の強さだったということなのです。

猛獣の脅威はなくとも、戦争、天災、疫病などのリスクがある現代社会の中で、ある一定数HSPの人たちがいることは地球的な視点からみると深い意味があることのように思えます。

 

心理相談室セラペイアでは、FAPによるトラウマ治療を中心に、さまざまなカウンセリング技法を駆使して、これからの生き方を提案するカウンセリングを行っています。

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夫源病になりやすい方の特徴やカウンセリングの必要性を紹介

 

「夫と話すと頭痛や動悸がする」といった症状に悩んでいる女性の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
このような症状が現れている場合は「夫源病」の可能性を疑ったほうがよいかもしれません。

本記事では、夫源病の具体的な症状や、発症しやすい人に共通している特徴、治療するためにカウンセリングが重要な理由などを紹介します。
「自分は夫源病かもしれない」と悩んでいる女性の方は、ぜひ最後までご覧ください。

夫源病とは

夫源病(ふげんびょう)とは、夫のモラルに欠けた発言や行動がストレスとなり、情緒不安定な状態や体調不良などを引き起こす症状のことです。
なお、「病」とはつくものの、医学上での正式な病名ではありません。

夫源病は、主に更年期といわれる40代後半から50代前半の女性に症状が現れることが多いですが、30代や60代で発症する可能性もあります。
夫源病には幅広い症状が確認されており、なかには日常生活にも影響を与える恐れがあるような、判断力の低下や慢性的な身体の不調といった症状を引き起こすこともあります。
夫源病の症状には以下のようなものがあるので、「自分は夫源病かもしれない」と思われている方はご確認ください。

夫源病の症状の一例

  • 頭痛
  • めまい
  • 肩こり
  • 動悸
  • 吐き気
  • イライラ感
  • 不眠
  • 食欲の低下
  • 集中力の低下
  • 免疫力の低下
  • 無気力
  • 倦怠感
  • 情緒不安定

上記で紹介したものはあくまでも一例なので、ほかにもさまざまな症状が出ることがあります。
また、「気のせいかな?」と思えるような軽い症状であっても、夫源病が原因で発生した心身の不調を放置すると、免疫力の低下やうつ病に発展する可能性もあります。
その結果、日常生活が過ごせなくなってしまい、離婚に繋がるケースもあるので、夫源病の症状が現れた場合は早期の治療が求められるでしょう。

夫がカウンセリングに来てくれる場合

夫源病の場合、夫が非協力的であることが多いわけですが、夫が共にカウンセリングに来てくれるというケースもあります。
その場合は、カップルカウンセリングということで、夫婦間の調整を図るアプローチをしていきます。
妻と夫のそれぞれの考え方のズレを明らかにして、それぞれの内省を促すように導きます。

しかしながら、カップルカウンセリングは、タイミングがとても重要です。
それを間違えると、かえって夫婦関係をこじらせて悪しき結果を招くこともあるのです。
夫婦でカウンセリングしている最中に、妻を「こいつ」「お前」と呼ぶ方がいますが、これも多くの女性が嫌がる呼び方です。
ほかにも「妻には好きなことをさせています」「趣味や旅行をさせてやっています」と自信ありげにいう方がいます。

そのような支配的な夫の態度では、カップルカウンセリングでの効果は望めませんので、夫に対する個人カウンセリングに切り替えて、夫の心の中にある怒りや不満を扱っていきます
夫が自らの内面を見つめることができるように導いていくのです。

夫源病の予防方法

ここからは、夫源病の予防方法を3つ紹介します。

  • 夫婦間でのコミュニケーションを増やす
  • 夫・妻それぞれが趣味を持つ
  • お互いが自立する

それぞれ順に解説していきます。

方法①夫婦間でのコミュニケーションを増やす

夫婦間のコミュニケーションを増やすことが、夫源病の予防に有効です。
日頃から意識的に会話の時間を持ち、互いの感情や考え、日々の出来事を共有することで、理解と信頼関係が深まります。
また、お互いのストレスを軽減し、精神的な健康をサポートするためにも、このようなコミュニケーションは極めて重要です。

仕事や子育てなど多忙でストレスフルな生活から夫婦の破綻が始まります。
また、ストレスによって体調にも影響がでるものです。
自分が、相手が、どのようなことにストレスを感じているのか、少し意識向け話し合うだけでも夫婦関係は改善していきます。

方法②夫・妻それぞれが趣味を持つ

夫婦それぞれが自分の趣味を持つことは、個人の豊かさを育み、ストレス発散につながります。夫婦共通の趣味が見つかれば、それが一番なのですが、なかなかそうはいかないものです。それぞれが別々の趣味をもち、自分だけの時間を大切にすることで、心のリフレッシュができ、精神的なバランスを保ちやすくなるでしょう。
趣味に打ち込むことで、良い意味で個人主義的になり、夫婦間の距離が適切なものになることも多いのです。

結果、夫婦関係が健康的に保たれ、お互いの存在を尊重し合う基盤を作ることにも役立ちます。
趣味を通じての自己実現は夫源病予防に効果的な方法のひとつです。

方法③お互いが自立する

近年のネット社会の中では、個人主義の傾向が強まり、夫婦の形態も変わりつつあります。
お互いが自立することも、夫源病の予防につながります。
経済的、精神的自立を目指すことで、夫婦は相互に過度な負担をかけず、心身ともに健康な関係を維持できるでしょう。

自分の足で立ち、自己決定を行えるようになると、単に依存しあうのではなく、サポートしあうパートナーとして協力し合う夫婦関係を築くことが可能になります。

夫源病の原因になりやすい夫の特徴3選

夫源病の原因となるような夫は、モラルハラスメントの傾向が高く、妻に対して心無い発言や理解しがたい行動を繰り返すとされています。

これから説明する特徴をもつ夫は、アスペルガー障害をはじめとする先天的な発達障害をもつ傾向があります。
そして、友人や知人に相談しても、なかなか理解が得られず孤立してしまうことが多いものです。

夫源病の原因になりやすい夫の特徴には、以下のようなものがあります。

特徴①自己中心的

「家事や育児を手伝わずに自分の好きなことばかりする」「悩みを相談しても聞いてくれない」といった性格の夫は、夫源病の原因になりやすいとされています。
自己中心的な性格の夫は、妻が抱えている悩みや苦しみを理解しようとせず、自分が正しいと思い込む傾向があるからです。

また、男尊女卑や亭主関白の思想が強く「誰のおかけで生活ができていると思っている」「女はこれだから」という発言をすることも多いです。

特徴②二面性が強い

「友人の前では弱気なのに、妻の前だと強気になる」といった、二面性が強い夫も夫源病の原因になりやすいとされています。
なぜなら、夫の態度の差によって妻が理不尽な気持ちを感じるようになり、それが積み重なることでストレスとなってしまうからです。

また、夫が人間関係のトラブルや仕事などで抱えた不満解消の矛先を妻に向けることで、精神的な疾患を発症するケースも散見されます。

特徴③こだわりが強い

自身が抱いている価値観や希望を押しつけてくるといった、こだわりが強い性格の夫も夫源病の原因になりやすいです。
妻の洋服や趣味、食事に至るまで、特定のものしか認めないという思想は、妻にとっては強いストレスになります。

また、夫に指定された洋服を着ないと機嫌を損ねてしまう、という恐怖心や気遣いから、妻が心を病んでしまうことも少なくありません。

夫源病になりやすい妻の特徴4選

夫源病に悩んでいる女性は責任感が強く、真面目で几帳面な性格の人が多い傾向にあります。
それによって強いストレスを抱えこんでしまい、体調を崩してしまうことや、心を病んでしまうことがあります。

また、夫の言動だけではなく、夫が抱えているお金のトラブルや義父母との同居、妊娠・出産でホルモンバランスの崩れなども夫源病の原因になる場合があります。
よく見られる特徴として、以下の4つが挙げられます。

  • 夫との生活に常に我慢している
  • 自分に自信がない
  • 完璧主義
  • 相談相手がいない

それぞれ解説しましょう。

特徴①夫との生活に常に我慢している

夫の支配的な言動、子育てへの無関心、浪費癖、浮気、DV…
夫との生活に常に我慢している妻は、自己犠牲的な思考が強く、自分の欲求を抑えて夫や家族の要求に応えようとする傾向があります。

そのことにより、家庭が表面的には平和なるかもしれませんが、家族同士の深い絆は生まれません。
そして、自分のストレスを解消できず、結果的に夫源病を発症しやすくなってしまいます。

特徴②自分に自信がない

自分に自信がない妻は、時として夫に依存して自己肯定感を得ようとしてしまいます。
そのため、夫からの評価や承認を求め、自分の考えや感情を抑え、夫の意見に従ってしまうことが多くなります。

また、夫からの要求に対して抵抗できず、自分の思い通りにできないことでストレスを感じ、夫源病になりやすくなります。

夫と比較して自分の価値が低いと認識する人も多く、自己肯定感が持てないために、夫源病になりやすいとされています。

特徴③完璧主義

「妻はこうあるべきだ」「夫はこうあるべきだ」「子供はこうあるべきだ」「家庭はこうあるべきだ」…

完璧主義的な妻は、自分を厳しく戒め、夫に対しては夫としての理想像を求め、子供に対しても自らの願望を押し付けてしまう傾向があるのです。

また、良妻賢母が行き過ぎてしまい、夫のストレスや子供の悩みを過剰に受け止めてしまい、かえって当人の自立を妨げてしまう結果になることもあります。

夫や子供が自分の意に反する言動を取った場合には、厳しく相手を責めてしまい、家庭崩壊に陥ってしまう場合も…

完璧主義的な妻は、精神的にも肉体的にも負担が大きく、怒りが内向して鬱状態になったり、ストレスにより不定愁訴に陥ることも多いのです。

特徴④相談相手がいない

相談相手がいない妻は、悩みや不安を1人で抱え込んでしまい、ストレスを蓄積しやすくなります。

家事や育児、仕事などで多忙ななか、誰かに話を聞いてもらう時間や場がないと、心身共に疲れがたまり、夫源病になりやすいとされています。

また、周囲に相談できる人がいないと、夫のストレスに対処するためのアドバイスや助言を得ることもできず、より深刻な状態に陥る可能性もあるでしょう。

夫源病においてカウンセリングが必要なケース

夫源病は自覚することが難しく、自律神経失調症や更年期障害と症状が似ているため、「気がついたときには重症化していた……」というケースも少なくありません。
そのため、体調や心の不調の原因が夫にあると感じた場合は、夫と話し合いの場を設けたうえで家事や育児のルールを決めることをおすすめします。

それでも、夫がなかなか話を聞き入れてくれない場合や、夫からのサポートが得られない場合は、悩みを抱え込むことなく、心療内科やカウンセリングルームでカウンセリングを受けましょう。
カウンセリングによって共感が得られれば、心労が軽減し、過去の心の傷も癒されていきます。そして、具体的な行動の指針ももらうことができます。

夫源病による心身の異常は個人では解決することが難しいので、まずは解決策を専門家に相談しましょう。

こちらの記事ではカウンセリングでの実際の流れや、カウンセリングを受けるメリットについて詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
参考記事:カウンセリングとは? 受ける際の流れやメリットについて解説

夫源病を治療・改善したい場合はカウンセリングを受けましょう

いかがでしたでしょうか。

 

夫源病とは、夫のモラルに欠けた発言や、理解しがたい行動などがストレスとなり、情緒不安定な状態や体調不良などを引き起こす症状のことです。
夫源病は放置すると症状が悪化することもあり、場合によっては免疫力の低下やうつ病などを引き起こすこともあります。

そのため、「自分は夫源病かもしれない」と思ったり、日々の生活がつらく感じている方は、速やかに専門の機関でカウンセリングを受けましょう。

話すことで気持ちが軽くなることもたくさんあります。一人で抱え込まずに、相談しましょう。

 

心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心にして、夫源病をはじめとした、さまざまな心の病気を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

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