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心理学コラム

アダルトチルドレン(AC)について

アダルトチルドレン(AC)という言葉があります。ACとは、元々「アルコール依存症の親の元で子供時代を過ごして大人になった人たち」(ACOA:Adult Children of Alcoholics)の意味であり、少し砕いていうと、大人の鎧の中に、傷付いたインナーチャイルド(内なる子供)をもっている人のことです。ACという言葉は、1970年代にアメリカでソーシャルワーカーたちが使い出した言葉ですが、ビル・クリントン元大統領が自らをACであると大統領選挙中に明言して話題になりました。そのことでさらにACという言葉が有名になったのです。
日本では90年代後半あたりにACブームというものがあり、精神科医の斎藤学、カウンセラーの西尾和美、信田さよ子等がAC関連の著作を書き、マスコミもこぞって取り上げました。ただ、日本で使われているACという言葉は上記の定義のようにアルコール依存の問題とは必ずしも関係なくかなり広い概念として使われております。
斎藤学の著作によれば、アダルトチルドレンの特徴とは「周囲が期待しているように振舞おうとする」「NOが言えない」「しがみつきと愛情を混同する」「楽しめない、遊べない」「フリをする」「自己処罰に嗜癖している」「他人に自分の真価を知られるのを恐れ、恥じる」「他人に承認されることを渇望し、さびしがる」「何もしない完壁主義者である」「変化を嫌う」「被害妄想に陥りやすい」「表情に乏しい」・・・・といったところです。
ACの人たちは体の調子も今ひとつスッキリしない人が多いようです。健康診断では引っかからなくとも、何となく調子が悪い、だるい、よく眠れない、やる気が起きないというようないわゆる不定愁訴をもつ場合が多いものです。
つまり、ACとは病気とは言えないけれど、社会生活の中で何となく生きづらさを感じている人たちのことであり、AC関連の本を読んで、その中に紹介されている事例のように自分自身も幼少期の家庭環境に生きづらさの原因についての心当たりがあって私もACだと自己診断を下せばその人はACなのです.
ACからの回復のための方法としてACのための自助グループというものがあります。
ACの人たちが集まって自らの生きづらさを話し、それを傾聴し合う自助グループは確かに有効なものです。ただ、生きづらさを引き起こしている根元はグループの中でのシェアだけではなかなかな見えてこないものです。自助グループの中でも棚卸作業というかたちで自らの生い立ちを振り返るのですが、本当のトラウマというものは自分では思い出すことができないものなのです。根源的なトラウマを見つけ出し、本来のその人らしさを引き出すためには個人カウンセリングも必要なのです。

 

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