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心を軽くするヒント

DV・夫婦間家族間の不和

DVとは
 DV(ドメスティックバイオレンス)とは、夫婦、或いはそれに準じるような配偶者間に生じる暴力行為のことです。ドメスティック(domestic)とは「家庭の」という意味があるために、家庭内のすべての暴力行為をさすものととらえることもできますが、一般的には配偶者間の暴力行為に限定して使用する言葉です。
 全般的には女性が被害者になることが多いのですが、近年の調査では男性が被害者になることも珍しくはないようです。

DVのパターン
 DVには世代間連鎖というものがあるといわれます。父親が母親に暴力を振うのを見て育った息子が「父親のようには絶対にならない」と思っていても、自分が結婚したら妻に対してやはり父親のような加害者になっていたというものです。また同じくそのような環境で育った娘が、やはり暴力をふるう男性と無意識的に結びついてしまうといったことが起きるのです。
 DVの理由が何であれ、その暴力が激しいものであり生命の危機があるとすれば、まず何よりも物理的な安全を確保する必要があります。お酒を飲んで暴力を振るったのに酔いがさめたらそのことを忘れてしまっている(病的酩酊)というようなことであれば特に危険です。週に一回のカウンセリングを続けていればいいなどと流暢なことはいっておられません。なんとしてでもまず身を守ることが先決です。
 DVは火山活動のようなもので、爆発の後にしばらく休止期間、つまり、平穏な期間があることが多いものです。しかし、油断は禁物です。その間も心の中で怒りのマグマが少しずつ貯まっているのです。そして、またある時にドカーンということになるのです。
 また、暴力を振るわれる女性には、2つの「シ」の字、「師」もしくは「士」の字がつく資格(教師、弁護士など)をもっていて社会的に地位がある人が多いといわれています。つまり、夫より妻の方が収入が多いとか、役職が上だとかいうようなことがあると男性のプライドが傷付いてしまって暴力行為に及んでしまうということなのです。或いは妻の実家が力を持っていて夫にプレッシャーをかけてくるような場合でも同様なことが起こりえます。そして、そのような暴力を振るう男性は必ずしもプロレスラーのような筋骨隆々の人ではなくて、むしろ普段は大人しく人当たりのいい人が多いようです。

夫婦の相性
 DVとまではいかなくとも関係の不和で悩んでいる夫婦は多いと思います。子育てや経済的な問題など夫婦間を揺るがす事柄はいろいろあるでしょうが、突き詰めていくとお互いの相性というものが深く関係しているのではないでしょうか。性格の不一致で離婚したということがよくいわれます。しかし、性格が違っていても(例えば一方が外向的で一方が内向的な性格)かえってそれでうまくいっている夫婦は大勢います。夫婦関係の問題は、性格というよりも相性の良し悪しといったものが関係することが多いのです。相性とは、気が合うとか、合わないとかいうようなものでやや漠然とした感じがしますが、私の臨床の経験では、相性には生まれつきの先天的な部分と生まれた後の後天的な部分の二つがあると思います。最初は好きで引かれあって結婚したのに、しばらくしたらどうもうまくいかなくなったというのは、表層の後天的な部分の相性は良かったので付き合うようになったのに、いっしょに住んでみると心のより深い部分の先天的な相性の違いが見えてきた結果であると考えられます。

FAPカウンセリングを受けると…
 FAPカウンセリングでは、カップルカウンセリングや家族カウンセリングも行っております。ただ、家族の複数のメンバーが合意して共にカウンセリングを受けるというのは結構難しいことです。また、後述するような支配力の強い人がカウンセリングの場に参加することでかえって混乱してしまうこともあります。FAPカウンセリングの長所の一つは、家族の中の一人だけがカウンセリングを受けたとしても、家族のメンバー同士の相性が分かり、家族間の問題が明らかにされ、家族全体が癒されていくということです。トラウマの覆いがとれてくると自分のことを客観的に見つめることができるようになってくるものです。そして、自分のみならず相手のことも分かってくるのです。自分と相手とは考え方や感じ方が違うんだから、お互いにある程度の距離感を保って生活していけば良いんだという気付きが生まれてきます。つまり、相性が悪くてもそのことを自覚できれば夫婦生活を続けることは可能ということです。それでも人間ですから時には喧嘩になることもあるでしょう。そのような場合であっても、冷めた関係よりも感情を出し合ってホットな関係の方がいいんだというような感じになってくるものです。
 もっとも夫婦のよりを戻すためにカウンセリングを始めたのに、自分と相手との決定的な相性の悪さに気がついてしまい、離婚した方がかえってお互いのために良いということになってしまうことも時にはあるのです。

支配-被支配の家族関係
 そして、カウンセリングでは、相互の相性を扱うだけでは十分ではありません。相性の問題と関連はあるのですが、さらに発展させて、家族のメンバーの潜在的な「支配-被支配」の力関係を見抜くことが重要なのです。暴力を振るっている当人が支配者であるとはかぎりません。かえって、暴力を受け止めている妻の方が実は夫を心理的に支配(共依存的支配)していることもあるのです。或いは、夫婦間の問題に見えて、世代間連鎖ということでそれぞれの両親にも同様な問題があったとすれば、本当の意味での支配者はそれぞれの親のうちの誰かかもしれません。さらに遡って言えば、親たちも祖父母によって操られているのかもしれません。また、夫婦間の不和によって息子や娘に引きこもりや摂食障害などの問題が生じることもあります。FAPカウンセリングでは夫婦関係のみならず複雑な家族関係全般を解読しながら進めていきます。

 

  • スターピープル48号掲載記事
  • 川崎麻世さんとの対談
  • チベット紀行
  • FAPについての論文・学会発表