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心理学コラム

催眠(ヒプノ)について

催眠というとテレビでの催眠術のショーを思い浮かべる人も多いと思います。確かにそれも催眠の一つなのですが、催眠療法(ヒプノセラピー)ということで心理療法の技法としても使われます。
催眠療法の起源は、18世紀のドイツの医師メスメルから始まるとされます。メスメルがある女性の患者に鉄を含む調合剤を飲ませたところ病状が回復しました。そのような臨床例からメスメルは、人体には宇宙に遍満する「動物磁気」というものが人体にも影響を与えており、体内においてそのバランスが崩れると病気となると考えたのです。しかし、「動物磁気」というものの存在が科学的に証明されることはなく、メスメルの治療は、何らかの心理的な作用によるものであると当時の多くの人は考えました。それでも、メスメルの治療によって多くの人々の病気が回復したことから、信奉者も大勢おりました。社会的な批判を受けつつも、何らかの未知の作用によって不思議な治癒が起こりうることをメスメルは提起したのです。そこが催眠療法の発達の端緒とされます。
催眠療法士が「あなたは立てなくなる」と言うと、椅子に座っていた人はどう頑張っても本当に立てなくなるといったように、当人の思考や行動が著しくコントロールされた状態がいわゆる催眠状態とされるわけです。
確かに催眠状態というものはあると考えられるのですが、今のところ、例えば脳波測定などによって客観的で厳密な定義ができるものではありません。催眠という訳語は紛らわしい言葉で、意識レベルは狭まっているものの、睡眠とは違うものです。起きている状態ではなく、睡眠状態ではない第三の意識状態をとりあえず催眠状態といっているのです。

 

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