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心理学コラム

心のレンズのクリーニング

PC遠隔操作事件で仮釈放されていた片山被告が再逮捕された報道を見て大変驚きました。STAP細胞の件や交響曲のゴーストライター問題、さらにはセウォル号の事件といった最近の出来事において、当事者の言っていることはどこまでが本当でどこまでが嘘なのかといったことを考えさせられます。人間の内面がからむような問題では真偽を判定するのは本当に難しいことです。
また、私たちは今インターネットを通して多くの情報を得ています。従来のテレビや新聞を中心にしたマスコミの報道だけではなく、インターネットによって私たちはあふれるほどの情報に接することができるようになりました。ネットの普及によってマスコミの報道が必ずしもすべて正しいとは限らないということにも気がついてきました。しかしまた、ネット上の情報も玉石混交といった感じです。マスコミの報道は表面的なものであることが多いのですが、ネット上の情報は逆に深読みしすぎて、やはり本質から離れているようなものも多いと思います。
この世の中は理屈では分からないことが多いわけで、現代に生きる私たちには直接物事の本質を見極める力、つまり、直観力や洞察力といったものが必要であるといわれます。そのような感性の力というのは、私たちの心の中にあるレンズのようなものでしょう。しかし、そのレンズが本来の働きをしていないことが多いのです。
トラウマは一般には「心の傷」と訳されますが、自分は健康だ、心の病とは無縁だと思っている人でも、「心にふりかかったホコリ」ともいえるような小さなトラウマをいくつも持っているものです。そして、当人も気がついていないその無数のホコリが心のレンズに付着して物事の本質を見向くことを妨げているのです。
アメリカではカウンセリングを受けることが一つのステータスとされ、プロのスポーツ選手や実業家がカウンセリングを受けるのです。彼らは特に心をひどく病んでいるというわけではありません。もう一つ記録が伸びないとか、経営状態が良くないとか、好いビジネスパートナーに恵まれないとかいうことを相談に来るのです。そして、彼らの場合は比較的な小さなトラウマがテーマになります。行き詰った現状を打破するために、小さなトラウマというホコリをクリーニングして本来の能力の輝きを取り戻す必要があるのです。
日本においても、自分は健康だと思っている人に是非一度はカウンセリングを受けてもらいたいものです。

 

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