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孤独感の原因とその対処法とは?カウンセリングの必要性も紹介

「孤独感はカウンセリングで解消される?」
「そもそも孤独感とは?」
「孤独感が消えない原因を知りたい」
ストレスが溢れる現代社会、多かれ少なかれ誰もが感じたことのあるだろう「孤独感」。
本記事では、孤独感の原因から対処法、陥りやすい人の特徴などを解説していきます。
孤独感に悩む方やカウンセリングを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

孤独感とは

現代は、地域社会の交流が薄れ、人との絆が失われ、個人主義的な傾向が強まりつつあります。
また、長引く不況と高齢化社会のなか、孤独感に悩まされている人も多いものです。
対人関係が苦手で、友人が少ない人は全般的には孤独感が生じやすくなる傾向があるでしょう。
もっとも、人とのつきあいは少なくとも、一人で好きなことに打ち込んで結構楽しくやっている人もいるものです。
逆に、社交的な性格で友人がたくさんいるのに、心の中では自分のことを本当に理解してくれる人はいないと思い、孤独感を感じている人もいるでしょう。
病気や失恋、転勤や引っ越し、家族や友人の死などが原因で孤独感を抱くこともあります。
さまざまなケースがありますが、本質的に孤独感は内面的な意味で人とのつながりを失った精神状態のことなのです。
孤独感は、うつ病や不安障害を引き起こし、また身体疾患の要因にもなります。

孤独感が強い人の特徴

孤独感のことをおおよそ理解したところで、ここからは孤独感が強い人、感じやすい人の特徴を解説していきます。
主な特徴は以下の5つです。

  • 人とのコミュニケーションが苦手
  • 楽しみや趣味がない
  • 寂しがりや
  • 被害妄想が激しい
  • 依存心が強い

それぞれ解説していきます。

人とのコミュニケーションが苦手

孤独感が強い人は、人とのコミュニケーションが苦手ということが多いものです。
自分の考えや感情をうまく表現することができないと、自分の心は満たされずに、相手との間に距離を感じてしまうことになります。
周囲の人達が和気あいあいとやっているときに、人の輪に入れないと、「どうして自分だけ…」といった感じで孤独感はさらに強まっていきます。

楽しみや趣味がない

孤独感が強い人は、自分で楽しめる趣味や興味を持てず、退屈な時間を過ごすことが多いです。
自分は何をやりたいのか、何が好きなのかという本心が分からないと、人生の方向性が定まらず、心の中は虚しいものです。
一人で黙々とやるような趣味であっても、それが本当に好きなことであれば、孤独は感じず結構楽しいものなのです。

寂しがりや

孤独感が強い人は、周囲の人からの温かい関心や寄り添いを求めることが多く、1人でいると心細さや不安感を感じてしまう傾向にあります。
寂しさから逃げるためにネットやゲームなどに過度に熱中したりするケースも見られます。
承認欲求が強く、人からの「いいね」を過剰に求めたりするのです。

被害妄想が激しい

受験に失敗した…
自分だけが出世できない…
経営していた会社が倒産した…
人生において、何らかの挫折を経験すると、「こうなったのは、社会が悪い、他人が悪い」という思いに取り憑かれることがあります。
さらに社会生活での疎外感が強まっていくと、現実には何も起きていないのに「嫌がらせを受けている」「悪口を言われている」といった病的な「被害妄想」に陥ることもあるのです。

依存心が強い

孤独感が強い人は、自分を支えてくれる対象が欲しいという願望から、相手やモノに依存する傾向があるものです。
たとえば、恋愛対象を次々と変えたり、買い物やアルコールなどに依存して刹那的な快楽にハマっていきます。
しかし、相手に対する過剰な期待や依存心が相手には負担となり、関係を悪化させる原因にもなります。
また、経済的な負担を負うことになったり、生活習慣病につながることになったりします。

孤独感が消えない原因

次に、孤独感が消えない原因を見ていきましょう。
孤独感の原因は人それぞれですが、おおよそのところ、心理学的知見では以下の4つが挙げられます。

  • 幼少期のトラウマ
  • 学生期以降のトラウマや病気
  • 発達障害やLGBTなどのマイノリティとしての社会的立場
  • 現代の世相

幼少期のトラウマ

他の動物と違い、人間は、少なくとも生後約3年間は養育者の庇護がなければ生きていけません。
その間に、なんらかの理由で養育者との親しい関係性が不十分であると、「孤独感」「虚無感」「見捨てられ不安」といった感情が芽生えてしまいます。
成長して大人になっても、心の中の寂しさや不安感は消えないものなのです。
人がたくさんいるような環境の中でも、言いしれぬ孤独を感じたリ、怒りがコントロールできなくなったりします。
不安障害、パニック障害になる人、寂しさを紛らわせるためにアルコールや薬物を求め、依存症になる人も多いのです。

学生期以降のトラウマ

小学校以降、親の仕事の関係で転校が多いと精神的に不安定になることが多いといわれます。
さらに思春期は疾風怒濤の時代ともいわれ、自我が発達する分、失恋や受験の失敗などで心に傷を負う場合があります。
良い仕事についたとしても、上司からのパラハラを受けたり、ライバルとの競争の中で社会人としての能力に限界を感じてしまうこともあるでしょう。
また、順風満帆と思っていたのに、思いがけない病気が見つかって、社会から離脱してしまうようなこともときには起こりうるものです。
幼少期のトラウマに連なって、学生期以降のトラウマによっても、社会的な孤立感を強めていくことがあるのです。

発達障害やLGBTなどのマイノリティとしての社会的立場

先天的な要因が関係して、周囲の空気が読めず人とのつきあいがうまく行かない発達障害の人がいます。
また、ジェンダーの問題をかかえたLGBTの人たちがいます。
そのような人たちについては、最近は少しずつ社会的に認知されるようになってはきましたが、心の中にある悩みは、一人ひとり違うわけで、なかなか他者の理解は得られないものです。
また、同和問題も、やはり以前よりは薄れつつありますが、未だに残っています。
そして、現在、外国人労働者が増えておりますが、それに伴い宗教文化の違いにより阻害感を覚えている人たちもいるでしょう。
さらに、彼らの二世三世の問題がこれからクローズアップされるかと思います。

現代の世相

戦後日本は、戦前の日本的な価値観を放棄して、欧米の物質主義、個人主義を求めてきました。
それらによって確かに物質的には豊かになり、また、主体的、個性的に生きられるようになった面はあるでしょう。
しかしながら、地域社会での交流や近所付き合いが薄れ、精神的に孤立する人も多くなりました。
さらに、長びく不況、高齢化の時代の中で孤独死が社会問題となり、さらにコロナ禍により人とのつながりが制限されることになりました。
今後さらにAIの発達により、人間の仕事が奪われ、人との暖かな交流の場が奪われていくことが予想されます。

孤独感が強いときの対処法

最後に、孤独感が強いときの対処法を見ていきましょう。
主な対処法は以下の4つです。

  • 夢中になれることを見つける
  • スポーツや掃除などで体を動かす
  • 瞑想やセルフセラピーをする
  • カウンセリングを受ける

それぞれ確認してください。

夢中になれることを見つける

夢中になれることは、趣味やスポーツ、読書や音楽など、健康的なものであれば何でも良いです。
夢中になることによって、自己肯定感が高まり、孤独感を減らすことができます。
スマホやゲームの弊害についてよくいわれまずか、私達はネット社会の多大な恩恵を受けていることも事実です。
SNSを健全に活用して多くの人たちとつながることはとても良いことです。

スポーツや掃除などで体を動かす

孤独感が強い時、運動や掃除などで体を動かすと、身体を使い、汗をかくことで気持ちも晴れやかになり、ストレスや不安の解消に役立ちます。
健康的な生活習慣を身につけることで、自己肯定感も高まり、孤独感に陥りにくくなります。
部屋を掃除することは、心の部屋を綺麗にすることにつながるものです。
トイレや長年手をつけていなかった納戸などを掃除することで心の深い孤独感が癒やされたという体験をする人も多いのです。
心の中が整理されれば、建設的な考えも生まれてきます。

瞑想やセルフセラピーをする

孤独感の解消の秘訣は、まずあなた自身と仲良くすることなのです。
あなたの胸や気になるところに手を当てて、「愛しているよ」「よくやっているね」「大丈夫だよ」と優しくご自身に語りかけて下さい。
自分自身と仲良くなり、自己肯定感が増してくれば、人も寄ってくるものです。
人とのつながり、自然とのつながりを実感できるマインドフルネスなどの瞑想も役に経つものです。

カウンセリングを受ける

カウンセリングは傾聴と共感を基本とするものです。
自分の内側にあるものを言語化することで、心が整理されていきます。
カウンセラーとの共感が働くことで、孤独感は癒やされていくものなのです。
また、カウンセラーの視点からあなた自身が気付かなかった長所やタラントがみえてきて、自分に自信が出てくることもあります。

カウンセリングの真の目的

先に述べたとおり、カウンセリングは傾聴と共感を基本にしています。
そしてさらに、孤独感が消えない原因として、幼少期や学生期以降のトラウマを挙げましたが、カウンセリングによってトラウマからの開放が期待できるのです。
カウンセリングは、孤独感をより深いレベルから扱うことができるのです。
孤独感を単にすべて消去することがカウンセリングの目的ではありません。
適度な孤独感はある意味人生のスパイスのようなものであり、人生に程良い味付けをしてくれるものなのです。
カウンセラーは、患者さんに適した示唆や具体的な行動プランを提供していきます。
そして、孤独感に向き合うことによって、より深く人生の意味について考えていくのがカウンセリングなのです。

心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心に、孤独感解消をはじめとした、さまざまな心の問題を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。
大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

 

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