トップページ > 心を軽くするヒント

心を軽くするヒント

強迫性障害とは?カウンセリングよる対処療法

強迫性障害とカウンセリングよる対処療法

強迫性障害の治療法について

強迫性障害は強迫神経症とも呼ばれるもので、強迫観念と強迫行為の二つの症状が特徴です。強迫観念は自分では考えたくないような考えやイメージ、衝動的な欲求が頭から離れなくなるもので、強い不安感や不快感を伴います。また、強迫行為は強迫観念によって生じた不快な考えや感覚を取り去るために行う儀式的なもので、例えば外出時に家の戸締りを一時間以上かけて何度も確認するとか、帰宅時に手にばい菌がたくさんついているのではないかと不安になり何十回も手を洗うとかいうようなものです。本人も馬鹿らしいと思いつつもどうしても止められない行為なのです。

最近は抗うつ薬が強迫性障害にも有効ということで薬物療法が普及しております。
カウンセリングで用いられる心理療法としては行動療法や認知行動療法が効果的とされますが、今の日本ではまだ十分に行われていない状況です。
そして、この強迫性障害に卓効があるとされるのが、日本独自のカウンセリング心理療法である森田療法です。森田療法は入院治療が必要になるのですが、軽度の人は通院治療、さらに日常生活の中に森田療法的な生き方を取り入れていこうという「生活の発見会」という自助グループもあります。

強迫性障害に対する森田療法について

森田療法は、自らの神経症の克服体験を元に森田正馬が大正時代に創始したものです。大正から昭和の初期は日露戦争と太平洋戦争の合間ということで全般的に平和な時代だったのですが、かえって平和な時代になると心の問題が表出してくるようで、今の日本もまたそのような時代といえます。

3.11東日本大震災によって日本の雰囲気がずいぶん変わったと言われますが、暴動やテロで戦々恐々としている諸外国に比べれば、まだ日本は比較的平和な社会であり、個人の心の問題がクローズアップされていると思います。

森田療法のキーワードは「あるがまま」という言葉です。どんなに不快な考えや感情が出てきても、それを「あるがままに」に受け入れ、自分がおかしくなってしまうのではないかという恐怖感が出てきても、ひたすら為すべき仕事や学業を果たしていくと症状は次第に消失していくというのが森田療法の考えで、日本版の認知行動療法ともいえるでしょう。

森田正馬の指導を受けた人物に作家の倉田百三がいます。倉田は若い頃に肺結核をわずらい、40歳過ぎからは「自分の目が自分を見ている」「周囲がグルグル回っている」「心の中で数の計算が無限に繰り返される」というような奇異な強迫観念に取り付かれてしまいましたが、森田療法によって癒されてからは精力的に執筆活動に励むことができました。
倉田百三は「出家とその弟子」という親鸞とその弟子の心情を描いた小説で有名ですが、森田療法は浄土真宗や禅宗といった仏教思想と共通性があるといわれております。森田療法は心理療法の枠を超えて一つの人生観を教えるもので、慢性のうつ病やがん患者のメンタルヘルスにも応用されております。
さらに近年、森田療法は中国でかなり効果を上げているといわれます。中国といえば元々は道教の国です。道教は自然との一体感(無為自然)を説くという点で仏教思想とかなり重なる部分があるものですから、中国で森田療法が広まるというのも頷ける話です。
森田療法では強迫性障害になりやすい人は完全癖で、生きることへの執着が強いといった性格特徴をもつと教えます。というと何か悪い性格のようにも思えますが、見方を変えれば、人生に真剣に取り組もうとしている、向上心のある人の特徴であるわけで、創始者の森田正馬自身の性格でもあったのです。森田は学生ならば受験勉強、社会人なら仕事というようなかたちで、自分に与えられている社会的責任を果たすために、頭の中の渦巻く観念があってもそれを「あるがままに」受け入れつつ、目的に向かって行動することにより、不快な症状は自然に少しずつ消失していくものだと教えています。

強迫性障害の根底にある恐怖

感情の波が時間とともに収まっていくという森田療法の教えに私は基本的には賛同しますが、日々のカウンセリングの中では感情の波がいつまでも収まらないクライアントに多く接しているのです。
そのような場合は、カウンセリングを通して当人の心の一番深いところにある恐怖心にフォーカスを当てる必要があるのです。

心の根深いところにある恐怖というもの当然見たくないもので、その恐怖心からの回避というかたちでいろいろなものへのこだわりが生まれてくるのです。何かこだわっていれば「根底にある恐怖」を見なくてすむのです。

つまり、「根底にある恐怖」が強迫行為や強迫観念を造り出す製造工場のようなものになっているのです。
さらに、そのような人はいつまでも過去の不快な出来事にも囚われて、後悔、恨み、憎しみの感情から開放されないのです。FAPカウンセリングによって「根底にある恐怖」は一体何なのかということを明らかにする必要があるのです。また、心の混乱は物質レベルではホルモンバランスの乱れとなって現れるものです。ホルモンバランスの乱れもFAPカウンセリングによって調整が可能です。

カウンセリングを通して強迫性障害を克服しあなたらしさを取り戻す

FAPカウンセリングでは、さらにあなたは本当は何をやりたいのか、あなたの本心は何なのかというところにフォーカスを当てていきます。
森田療法が教えるとおりに勉強や仕事という社会生活での本分を果たすことはもちろん大変重要なことです。

ただ、心から勉強が楽しいとか、今の仕事が天職だとかいえる人はどれだけいるのでしょうか。
カウンセリングを通してその人の本心から出ていることをしているのでなければ深い満足感は得られないものです。強迫性障害の人は「~しなければならない」という罪悪感に縛られていて、その人らしい生き方ができていないのです。
その罪悪感は、あなたの生育歴の中であなたを支配してきた人が植え付けたものであることが多いものです。

他人からの負のメッセージによって、あなたの本心が覆い隠されている可能性があるのです。FAPカウンセリングではそのあたりを丁寧に取り扱っていき、あなたらしく生きることができるようにサポート致します。

心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心にして、強迫性障害をはじめとした、さまざまな心の病気を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

依存症のメカニズムとカウンセリングによる解消法

 

依存症のメカニズムとカウンセリングによる解消法

依存症の分類とメカニズム

依存症は三つのジャンルに大別できます。

① 物質依存

<特定の物質に陶酔する依存>
アルコール、覚せい剤・大麻・シンナーなどの薬物、ニコチン

② プロセス(行為過程)依存

<特定の行為をすることによって快感・スリルを求める依存>
ギャンブル、窃盗、ゲーム、パチンコ、買い物、インターネット、セックス

③人間関係依存

<他人への依存>
身近な依存症者への依存(共依存)、スマホ・携帯、メール、恋愛

私の恩師である斎藤学医師は、依存症の概念をかなり広げて、不登校、引きこもり、摂食障害なども依存症の病理としてとらえています。不登校や引きこもりは、家・部屋(子宮を象徴)への依存、摂食障害は食べ物への依存ということです。

依存症は多種多様ということで、細かく言えばそれぞれの依存症の特有の病理的メカニズムというものもありますが、いずれの依存症の場合でもその病理の根底には、幼少期の家族関係(特に母親との関係)の歪みから生じた心の虚しさ、寂しさというものがあるのです。

その心の空洞を依存行為によって埋めようとするのですが、一時的な快楽は得られるものの、その快楽は長くは続きません。そうするとさらに依存行為を繰り返すことになり、依存症の深みにはまっていくのです。

AAの自助グルーブの発足

依存症の中で大昔から知られ、きわめて深刻なものはアルコール依存症です。アルコール依存症の基本的なメカニズムは先に述べたとおりですが、、ストレスフルな現代社会のひずみから生じたものという側面もあると思います。
20世紀初頭にアメリカは資本主義社会のリーダーとなりつつありましたが、1929年に世界恐慌が起き、アメリカの都市には失業者が溢れ、アルコール依存症が蔓延したといいます。そのような時代背景の中、ビル(ウィリアム・ウィルソン)はニューヨークのウォール街で金融業を営んでいましたが、やはり深刻なアルコール依存症に陥っていました。ある時、ビルは友人から誘われてオックスフォードグループ運動というキリスト教会の霊性復興運動に参加し、その集会の中で劇的で超自然的な癒しを体験し、アルコール依存症から解放されます。そして、1935年にアルコール依存症からの回復のための自助グループであるAA(アルコホーリクス・アノニマス/匿名のアルコール依存症者)を同志とともに発足させるのです。そして、あっという間にAAの自助グループは世界中に広まったのです。そしてさらに、薬物依存やギャンブル依存、過食症といった様々な依存症にもAAの自助グループが応用されていきました。依存症からの回復のためには、医学的な治療よりもキリスト教的な背景の中から生まれた自助グループの方が有効であることが経験的に分かっているのです。
日本では地方に行くと、AAのやり方を日本的に変容させた断酒会という組織の勢力が強いのですが、生活習慣が欧米化している都心部においては、やはり12ステップのプログラムを中心にしたAAのやり方が有効なようです。

12ステップのミーティング

AAなどの自助グループでは依存症の人々が集まり、12ステップのプログラムというものに基づいて繰り返しミーティングを行います。その第一ステップは自らの依存癖は自らの努力ではどうにもならないものであることを認め、他のメンバーに対してそのことを告白することから始まります。そしてさらに「大いなる力」「ハイヤーパワー」「自分が理解した神」といった超越的存在から回復のためのエネルギーをもらうことを懇願しつつも、自らの内面にある問題を整理する棚卸し作業を続けていくのです。
棚卸しというのは、家族関係のことを中心にして幼少期からの楽しかったこと、辛かったことなどの様々な体験を書きだし、心の整理をすることです。つまり、自己内省の作業です。

魂の家族

依存症者がもつ心の空洞は、幼少期からの家族関係の歪みの中から生まれるものです。精神科医の斎藤学は自助グループの本質を「魂の家族」といっているとおり、自助グループは、不健全な家族関係で育った依存症者たちが棚卸しを行い、秘密厳守のルールに基づいてお互いに内面をシェアすることを通して健全な家族関係を再学習する場であると考えられます。

個人カウンセリングの役割

ただ、自分自身のことは自分ではなかなか分からないものです。特に依存症の原因となっているような胎児期から幼少期の家族関係の中で生じたトラウマは抑圧されて無意識化されてしまっています。。その人の人生に大きな影響を与える根本的なトラウマはその人自身では思い出せないものなのです。自助グループに参加するとともに、個人カウンセリングも受けてセラピストからコメントをもらうことは棚卸し作業を深めるためにとても有効なことです。特に、元々FAPカウンセリングは、当人が気が付かないような意外なトラウマを発見し解消することに特化した技法として生まれたのもので、自助グループと併せて受けると大変効果的なものです。

心理相談室セラペイアでは、脳科学と東洋医学を統合した「FAP」という技法を中心にして、多種多様な依存症をはじめとした、さまざまな心の病気を治療・改善させるためのカウンセリングを行っています。

大田区でカウンセリングをお探しの方は、蒲田駅・大森駅最寄りの心理相談室セラペイアまで、ぜひ足を運んでみてください!

1 2 3 4 5

 

  • スターピープル48号掲載記事
  • 川崎麻世さんとの対談
  • チベット紀行
  • FAPについての論文・学会発表