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清涼院流水の新刊「どろどろの聖書」

■2021/11/25 清涼院流水の新刊「どろどろの聖書」

昨年から懇意にさせてもらっている小説家・清涼院流水の最新刊「どろどろの聖書」

流水さんは元々推理小説家(かなりのカリスマ)であるが、今回キリスト教作家として初めて聖書ものを執筆。

その新刊を贈呈されたので、読んでみました。

テーマは聖書に出てくる人物の愛憎劇を日本人にも分かりやすく解説するというもの。

当初、本のタイトルはそのまま「聖書の愛憎劇」のつもりだったようですが…

出版社は「それではあまりに無難すぎて読者の心に刺さらないだろう」ということで「どろどろの聖書」になったとのこと。

信者ではなく、一般人が読んでも、引き込まれる内容に仕上がっていると感じました。

流水さんの文章は分かりやすく、うまい!!!


アブラハムの時代には、ソドムという町があって、そこで男性の同性愛が行われていたところから英語ではそのことを「ソドミー」というのは初めて知りました。

流水さんは英語の天才でもあり、聖書にでてくる人物名の英語での発音を併記してあり、英語の勉強にもなります。

例えば、ヨハネがジョン、イサクはアイザック、ラケルがレイチェル…
 

ただ、聖書の愛憎劇といえば、まず旧約聖書の冒頭のアダムとエバの失楽園の話とか、その直後にあるカインが弟のアベルを殺した人類最初の殺人あたりが思い浮かぶのですが、それらが入っていない…

そのあたりのことを、流水さんにメールで質問しましたところ、

「当初それらも入れた内容で小説形式で書いたのですが、長くなりすぎるということで出版社によって没にされました」とのこと。

その後も紆余曲折を経て、最終的にノアの洪水の後のアブラハムの時代(BC2000年あたり)からの解説本として刊行したとのこと。


現在、出版業界はジリ貧の斜陽産業ということで、かなりシビアな成果主義が徹底されているらしい。

売れない本は出してくれない。

一冊の本が世の中に出るというのは結構大変なことのようです。

新聞も衰退気味ですが、それでも新聞に広告が出れば、直後は効果は絶大。
 
 
フロイトはユダヤ人で、その弟子たちの多くもユダヤ人。

精神分析療法は聖書のどろどろの愛憎物語の中から生まれたと考えられるのです。

また、数年前に売れた岸見一郎の「嫌われる勇気」はアドラー心理学の入門書。

アドラーもユダヤ人です。

アドラー心理学で一番大切な概念は「共同体感覚」というもの。

心の深いところで、社会や宇宙とつながっている感覚があるからこそ、個が自立できるということ。

他人から嫌われてもやみくもに一人で頑張れとアドラーは言っているわけではない…

アドラー心理学は、迫害の歴史の中で連帯意識(その中にどろどろした不純物も混じっている)が強いユダヤ社会を背景にしてできたもの。

そのあたりが日本人には分かっていない気がします。

ユダヤ教キリスト教の文化の源である聖書の愛憎劇を知ることで、心理療法も深く理解できるということなのです。


 



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