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怪談「耳なし芳一」 怖いもの見たさの心理
- ■2023/08/24 怪談「耳なし芳一」 怖いもの見たさの心理
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「大田文化の森」で開かれた納涼企画・怪談「耳なし芳一」
薩摩琵琶(川嶋信子)の調べと講談(神田山緑)による語り~~~
「耳なし芳一」は小泉八雲(イギリス人ラフカディオ・ハーン)の原作で世界的にも有名。
「平家物語」を琵琶語りする盲人の法師芳一は、平家の亡霊に取り憑かれてしまう。
そのことを知った寺の和尚は、芳一の体中に般若心経の文字を書きつけて、芳一を守ろうとするが、髪の毛に隠れていた耳だけは書き忘れてしまい、武者の亡霊によって芳一の耳はひきちがれてしまうという怪談物語。
原作者の小泉八雲は、生まれつき極度の近眼で、しかも16歳のときに寄宿学校での遊戯中の事故により左目を失明し、生涯に渡って全盲になることの恐怖に怯えていたといいます。
写真では白濁した左目を隠すようにして目を伏せている。
1890年英語教師として松江に赴任した八雲は、日本各地の古い説話に惹かれ、書物としてまとめていますが、盲目の琵琶法師芳一については、特に自己の境遇と重ね合わせて深い共感をもって執筆したに違いありません。
多くの怪談話のストーリーには、「殺される恐怖」というものが根底にあります。
ポジティブ思考が奨励される現代でも、ネガティブな感情に人は結構惹かれるもの…
大昔、我々の先祖は、小さな哺乳類だったらしいですが…
大きな猛獣とか、恐竜とかに襲われて、命を落とすときに、脳内から快楽物質が分泌されて至福感を味わいつつ安らかに死んでいった…
死の恐怖から自分を守るための一種の防衛反応みたいな…
そのような太古から引き継いだ脳内のメカニズムが、怪談話や命がけのアドベンチャーに心を惹かれる大きな要因だといわれます。
まあそんなこと考えなくとも、暑い夏に怪談で少し涼しくなればいいかもしれません…
適度にスリルを味わうのも人生の醍醐味。
もっとも、さらに脳が暴走してしまうと~~~
本当は嫌なんだけど、やってしまう…
飲みたくないのに、飲んでしまう…
という強迫的な行動や依存症になってしまう…
脳内に相反する勢力がいる!!!
心の病も人間の脳がまた進化途上にあるために起きているという見方もできるのです。
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