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岸辺露伴の“懺悔室”は真夏の悪夢を癒すフロイト派のセラピー

■2025/07/31 岸辺露伴の“懺悔室”は真夏の悪夢を癒すフロイト派のセラピー
高橋一生演ずる岸辺露伴シリーズの最新作『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は、イタリアのヴェネツィアが舞台
 
ヴェネツィアといえば、水の都…サン・マルコ寺院、ゴンドラ…そしてカーニバル(謝肉祭)
カトリック教会の春のイースター(復活祭)に先立って一か月半ほど断食をしたりアルコールを控えたりする節制の期間があります。
その節制に入る前に、まず仮面をつけて陽気にバカ騒ぎをするのがカーニバル~~~
 
かつてヴェネツィアではペストが流行
医師たちは鳥のクチバシ(その中には抗菌のためのハープが入っていた)のような防護服をつけて治療に当たった…
この社会の中では、誰もが他人からのネガティブ感情の感染を防ぐために、無意識的に何らかのペルソナを被っているもの…

しかしなから、神父ではない露伴はなぜかカトリック教会の懺悔室に入り込み、ある男(田宮)の懺悔・仮面の告白を聞いてしまう…
露伴自身が思いがけず、田宮の内面の罪悪感に罹患してしまったということ~~~
露伴は神父のペルソナを被り、神父の代わりにセラピスト役を演じることになります。
 
懺悔室で田宮は露伴に告白します。
『私は25年前に、やはりヴェネツィアに来ていた不遇の日本人ソトバに対して、冷酷な仕打ちをしてしまいました。
そして、ソトバは絶命してしまう…
いまわのきわにソトバは「お前が幸せの絶頂にいるときに絶望が味あわせてやる!!!」という呪いの言葉を吐いて息を引き取ったのです。
それから私の人生は…』
 
ソトバといえば、お墓にはソトバ(卒塔婆)と呼ばれる供養のために縦長の木の板があります。
霊感が強い人がたまたまお墓の近くを通ったら、憑りつかれるみたいな話…
 
そして、なぜ憑りつかれてしまったかというと、田村自身が元々何らかの「罪悪感」をもっていたので、ソトバのネガティブ感情と波長が合ってしまった…
体調が悪くて免疫力が落ちていたので、コロナに感染してしまったのと同じようなこと…
 
さてフロイトはユダヤ人ですが、幼少期乳母に連れられてカトリック教会のミサに出席していました。
有名な社会学者のマックス・ウェーバーにいわせると、フロイトの精神分析療法は、
神父に代わって、セラピストがクライアントの話を聞くもの。

フロイトはカウチベッドでクライアントの話を聴きましたが、露伴はヘブンズ・ドアーという超能力で田宮の無意識の世界を言語化□〜〜〜
露伴の少し上から目線の態度もフロイトに似ている…

 
セラピストである露伴は、物語の最後に大芝居、一種の演劇療法を試みます。
それがうまくハマって、田宮の呪いは消えたのか???
いや、一時的にコロナから回復しても、免疫力が落ちればまた再発するのかも…
 
フロイトのように過去にフォーカスする手法は、カウンリングの基本ではありますが、
免疫力を強めるには、未来を志向してエネルギーを沸き起こす認知行動療法も必要なのでは…
 
といっても、明るい未来のビジョンが見えてしまうと物語は続かない。
ネガティブなコンプレックスが優れた小説や映画を生み出すもの
人気の『鬼滅の刃』も岸辺露伴の物語のような怪しい話…
巷に広がる安易なプラス思考、成功哲学では、生きることの深い意味は見えて来ないように思えます。
これからも岸辺露伴のオカルトチックな物語は続きそう~~~


 
 



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