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黒く邪悪なタナトスの誘惑 「岸辺露伴ルーヴルへ行く」
- ■2023/06/08 黒く邪悪なタナトスの誘惑 「岸辺露伴ルーヴルへ行く」
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この世でもっとも黒く邪悪な絵
決して観てはいけない
“絶対的な黒”とは…
その絵は、江戸時代に日本の画家が描いたものであり、
今はフランスのルーヴル美術館にあるという…
その絵を求めて特殊能力“ヘブンズ・ドア”をもつ漫画家・岸辺露伴は、ルーヴルに向かう。
ヘブンズ・ドアとは、相手の生い立ちや心の中にあるものを文字化して読み取る能力。
フロイトは、人間にはエロス(生への欲動)とともに、
タナトス(死への欲動)があるという…
抑えきれない“怖いもの見たさ”
私もこの映画のもつ、タナトス的、破壊的な誘惑に引き込まれてしまった~~~
アングルにこだわった美しい画面構成。
画面の背景や細部にもさまざまなこだわりが隠されている。
それらを読み解くのも結構おもしろい…
そして、露伴はルーヴルの奥まった一室に潜入~~~
最も邪悪な黒い絵の正体が次第に明らかに…
それは人間の根源的な罪を表現したものらしい…
ただ、神からの離反という西洋的な罪意識ではなくて、
先祖の悪しき因縁、
輪廻転生でのカルマ…
人の心の奥深くに蠢くもの。
江戸の絵描き山村仁左衛門とは何者???
主人公の露伴という名前は、文豪幸田露伴と関係するのか
バディ役の泉京香も泉鏡花を連想させる…
すべての光を吸収してしまう、究極の黒の正体とは。
最も黒いものが分かれば、本当の光も分かるのかも…
直感的にそんな感じが…
奥深いサスペンスの傑作。
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