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浮世絵はなぜ西洋人に人気なのか
- ■2021/10/14 浮世絵はなぜ西洋人に人気なのか
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浮世絵の「浮世」とは二つの意味があって、一つは「憂き世」、つまり、憂鬱な世の中ということ…
江戸の社会は治安が良くてエコ社会で素晴らしかったなんていう話もありますが、贅沢が禁じられていた庶民にとっては、鬱っぽい世の中だという思いもあったでしょう。
もう一つは、楽しい社会、「浮かれた世の中」という意味。
現実は鬱っぽいかんじの世の中でも、庶民の娯楽である歌舞伎とか相撲とか花見とかで少しハイな気分になって、浮かれた気分で楽しく生きて行こうということ。
歌舞伎役者や相撲力士、評判の町娘などを描いたのが浮世絵の始まりです。
今的にいうと、アイドルのプロマイドみたいなもの。
特別に芸術的な価値があったわけではなかったわけですが…
一説によれば、海外に日本の陶器や磁器を輸出されたときに、破損を防ぐために梱包材として浮世絵が使われていたとか…
それをフランス人が見て、感動し、ジャポニスムがブームに…
日本人からすると庶民的な浮世絵の図柄が、ヨーロッパ人には驚嘆すべきものだったのか…
ゴッホが広重の「亀戸梅屋敷」や「大はしあたけの夕立」を模写し…
ドヴュッシ―は北斎の「神奈川沖浪裏」から交響曲「海」のインスピレーションを受けたらしい…
私が子供の頃、切手の収集がブームで、特に浮世絵の切手は人気があり、それで自然と浮世絵を覚えたものでした。
その中でも「月に雁」と「見返り美人」などは、一枚で万の値段がついていて、あこがれの切手だった…
しかし、正直なところ、浮世絵自体の価値については、私も今一つピンとこない。
日本人があまり重視しなかったものが、なぜ欧米人にインパクトを与えたのか???
そんな疑問をもって、すみだ北斎美術館に~~~
すみだ北斎美術館は、東京スカイツリーとマッチしたメタリックカラーのモダンな建物。
この200年で北斎が生活していた江戸の下町は大変わり…
三階の展示室の手前には、北斎の家系図(ジェノグラム)がありました。
それを見ると、母方の曽祖父小林平八郎という人物は、吉良上野介の家来で、赤穂浪士に殺されていたというのは驚きの発見!!!
そのことが関係しているのか…「忠臣蔵討入」という作品もある。
さらに、カウンセラーは勝手な想像をしてしまうのです。
北斎は90回以上も引っ越しをしていたというのは、発達障害、アスペルガー、それとも、ゴミのため込み症だったのかも…
娘の阿栄は離婚し、孫は放蕩ものだったというのは、その遺伝かも…
そして、展示室に入ってまず目についたのは、北斎の遺作「富士越龍図」
北斎の到達点ということですが、京都の朝廷文化の雅な作品ということではなく、やはり江戸の庶民の絵という感じ…
浮世絵は全般的に青が使われていますが、当時ドイツベルリンの錬金術師が発見したブルーの絵具が日本に入ってきて、ベロ藍と呼ばれ、もてはやされた。
浮世絵の青は広重ブルー、北斎ブルー、ジャパンブルーと呼ばれた。
「神奈川沖浪裏」には、伝統的な藍染のブルーとベロ藍の両方が使われている。
そこで、なぜ欧米人の間で、浮世絵が珍重されたというという問いへの回答として三つほど仮説をたててみました。
➀当時、青という色は、欧米、特にフランスなどのカトリック教国において、聖母マリアやイエス、さらには天国を表す神聖な色ということで、それ以外にはあまり使われることとはなかった。
その青を浮世絵では大胆に風景画として使われているのが、欧米人にとっては驚きだった。
➁欧米人にとって、自然は被造物であり、対象物であるが、北斎のグレートウェーブは、波そのものが主体的に生きているような斬新な印象を彼らに与えたのではないか。
③八投身でカッコいい欧米人は、やはり絵画においてもプロポーションの美しさ、外側のフォルムのバランスを求める。それに対して、大胆な構図、デフォルメの技法を使う浮世絵は、外側の美しさよりも内面的なエネルギーや輝きという、西洋絵画にはない深さをもつ。欧米人はそのあたりを感じとったのではないか。これは西洋的な彫刻と日本の仏像の関係についてもいえること…
異文化からの視点により、灯台下暗しで、今まで見えてこなかったもの、盲点になっていたものが見えてくるということがあるものです。
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