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「異端の鳥」に描かれた地獄世界

■2021/02/05 「異端の鳥」に描かれた地獄世界
「異端の鳥」は、第二次大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるために、たった一人で田舎に疎開した少年が過酷な差別と虐待にあう話。

異物である少年を徹底的に攻撃するのは、農村で暮らす「普通の人々」であるだけに怖ろしい。

1970年代にもボルポト政権下のカンボジアでは、優しい青年たちが洗脳されて殺人鬼と化した…

自身もホロコーストの生き残りである、ユダヤ系ポーランド人の作家イェジー・コシンスキによる原作の映画化。

ポーランドでは発禁書となった問題作。

もっとも、1965年の発刊当初は、イェジーの自叙伝であると思われていたが、その後、ほとんどが創作されたものと判明。

イェジー自身はカトリック教会の中で匿われていて過酷なトラウマ体験は回避できたらしい…

創作とはいえ、人間性の真実の一部が垣間見える3時間の長編…

地獄のような体験が淡々と…

見ているだけでもかなり体力を消耗する…

気弱な少年は、次第に復讐の鬼に変貌していく。

被害者が加害者になるというトラウマの原則…

映画では最後に強制収容所から釈放された父親が彼を引き取るのだが…

ナチスによるジェノサイドの犠牲者は六百万人ともいわれる…

さらに戦後も、スターリンの粛清…ルワンダ、ボスニア、カンボジア、インドネシア、バングラディシュ…

これから人類はどうなるの…

しかしながら、進化生物学者ジャレド・ダイヤモンド博士によると、ジェノサイド(集団虐殺)は未開社会ではもっと酷かったという。

人口全体の中でのジェノサイドの被害者数のパーセンテージということでいえば、道徳規範の薄い未開社会の方が過酷な状況だったらしい。

20世紀のドイツで殺された人は、ドイツの総人口の中では0.16%、それに対して、19世紀のアメリカの先住民カト―族の場合では1.45%…

さらにいえば、ジェノサイドはチンパンジーの世界にもあるらしい。

近代国家の中央政府と宗教的な道徳規範が抑止力になっているという。

エー!!!

国家権力と宗教的な対立が虐殺を生むのでは??

ダイヤモンド博士は、そういうことも認めたうえで、それでも未開社会で起こりうる過剰な殺戮は、国家による政治的な監視と「殺すなかれ」という宗教の倫理観によって減少傾向にあるという。

人類は良い方向に進化していると信じたい。


 



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