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『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』 ユング心理学からの見方
- ■2025/12/18 『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』 ユング心理学からの見方
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フィンセント・ファン・ゴッホの生前、彼の絵は一枚しか売れなかった…
その一枚というのも、唯一の理解者といわれた弟のテオが買ったもの…
ゴッホは37歳で非業の死を遂げると、弟テオも半年後に後を追うように病死します。
しかし、テオの妻ヨーが義兄の絵を世界に出すために生涯を捧げ、ヨーの息子はフィンセント・ファン・ゴッホ財団を設立しゴッホ美術館建設に尽力します。
家系を遡ると、ゴッホの父親テオドロス・ファン・ゴッホはプロテスタント教会の牧師であり、
さらに祖父も高名な牧師であり、フィンセント・ファン・ゴッホの名前は祖父の名前をそのまま受け継いだもの…
また、1853年にゴッホが生まれますが、その一年前に死産となったゴッホの兄もやはりフィンセントと名付けられていたのです。
フィンセントという名前には、家系の期待が込められているわけですから、
ゴッホの絵の半端ないエネルギーは、彼個人のものというよりも、彼の家系のエネルギーという見方もできるでしょう。
ゴッホは当初やはり牧師を目指していましたが、躁鬱病を患っていたらしく、対人関係が不得手であり、結局は画家を志望するようになります。
「鬱」とは、その漢字の書体からも分かるように、エネルギーが枯渇しているわけではなく、むしろ、太陽の光が射しこまないほどに鬱蒼と茂った密林のような世界なのです。
風通しの悪いところに「鬱」のエネルギーが充満し過ぎていて…
そして、「躁」の波がやって来ると、ドバーと出てしまうような…
ゴッホは、西洋の伝統絵画やキリスト教的な宗教画だけではなく、日本の浮世絵に強い興味を示しました。
精神分析学を創始したフロイトは、ゴッホと同時代の人ですが、フロイトの後を継いだカール・グスタフ・ユングは、フロイトの無意識論を発展させて人類共通の集合的無意識という概念を提唱しました。
そのユングもまた牧師の家系に生まれ、父親のみならず父方母方にも複数の牧師がいました。
しかしながら、母方から統合失調症の遺伝子を受け継いでいたといわれるユングのエネルギーは、ゴッホと同様に保守的なキリスト教の枠に収まらずに、古今東西の神話や東洋の曼荼羅の世界に入り込んでいったのです。
ユングの描いた赤い十字架と太陽の絵は、独特であり、ゴッホの絵と同じようなエネルギーがある感じがしませんか。
ゴッホもまたユングのいう集合的無意識の世界を感得したのかもしれません。
福音書のラザロの復活は、本来イエスがいるはずの場所に太陽が描かれております。
そしてその太陽はさらにヒマワリになった…
ゴッホは37歳で自死するわけですが、日本を感じさせる南フランスのアルルに移住して、絵画という表現によって救いを得たような…
多くの人がゴッホの絵に強く惹かれるのは、彼個人のエネルギーではなく、家系のエネルギーであり、さらには民族文化宗教を超えた世界的な家族愛を感じさせるからかも…
今回のゴッホ展で観た「小屋」という絵は、貧しい農家の家族が集まる家です。
何か日本の古い家屋のようで、日本の伝統文化とのつながりを感じさせます。





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